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6.水質検査の見方

水質検査項目には全く検出されてはいけないもの、数値が高いと健康上支障のあるもの、生活への影響が大きいもの、そして値の大きな変動により水質の異常を判断するものなどがあり、それぞれ互いに関係づけながら、総合的に水質を判断します。
検査の結果が「不適合」の場合どのような検査項目で不適合になっているかに注意し改善するよう検討する必要があります。検査機関や保健所などと十分相談することが必要です。
では、これらの各項目について少し学んでみましょう。
水質検査の項目について

■水質検査成績書の見方
検査項目 基準 主な不適の原因 身体に対する影響等 対策等
一般細菌 100/ml以下 し尿、下水、排水等による汚染の疑いを示す。 経口伝染病等消化器系病原菌による疾病など汚染の指標となり得る。  煮沸消毒、塩素滅菌装置取付
大腸菌 検出されないこと
カドミウム 及びその化合物 0.003㎎/l以下 鉱山、工場排水の混入による汚染の疑いを示す。 腎臓障害。連続的に摂取するとイタイイタイ病等の原因。 飲用利用の停止及び、原因の追及、水源の転換
水銀 及びその化合物 0.0005mg/l以下 工場排水等の流入による汚染の疑いを示す。 口腔障害、言語障害、神経障害、腎臓障害をおこす。
セレン 及びその化合物 0.01㎎/l以下 殺虫剤、工場排水の混入の疑いを示す。 中枢神経障害、皮膚炎、胃腸障害。
鉛 及びその化合物 0.01㎎/l以下 地質による影響とその他鉱山、工場排水の混入による汚染の疑いを示す。 有毒、蓄積性あり、神経系統への障害。血液や血管系を侵し、貧血、血色素量の低下、頭痛、食欲不振をまねく。腎臓障害、不妊。
ヒ素 及びその化合物 0.01㎎/l以下 地質による影響と農薬、殺虫剤、医薬品、除草剤の混入による汚染の疑いを示す。 爪や毛髪の萎縮、肝硬変、知覚麻痺をおこす。
六価クロム 及びその化合物 0.05㎎/l以下 鉱山、工場排水の混入による汚染の疑いを示す。 激しい嘔吐と下痢、腎臓障害をおこす。
亜硝態性窒素 0.04㎎/l以下 地質による影響と流出した肥料成分、し尿、下水等による汚染が過去においてはなはだしかったことを示す。 乳児(6ヶ月未満)が高濃度の水を摂取するとメトヘモグロビン血症をおこし、呼吸作用を阻害する。 水源の転換、飲料用以外で利用 
シアン 及び塩化シアン 0.01㎎/l以下 化学工業、金属メッキ等の工場排水の混入による汚染の疑いを示す。 経口的に多量に摂取すると数分以内にめまい、頭痛、吐き気、痙攣、失神をおこして死亡する。 飲用利用の停止及び、原因の追及、水源の転換
硝酸態窒素及び亜硝態性窒素 10㎎/l以下 地質による影響と流出した肥料成分、し尿、下水等による汚染が過去においてはなはだしかったことを示す。 乳児(6ヶ月未満)が高濃度の水を摂取するとメトヘモグロビン血症をおこし、呼吸作用を阻害する。 水源の転換、飲料用以外で利用 
フッ素 及びその化合物 0.8㎎/l以下 地質による影響(温泉地帯に多い)と工場排水の混入による汚染の疑いを示す。 低濃度であれば虫歯予防に効果があるが高濃度であれば有毒。体重減少、嘔吐、便秘、骨の形成障害がおこる。
ホウ素 及びその化合物 1㎎/l以下 火山地帯の地下水や温泉、工場排水(金属表面処理、ガラス、エナメル工場)が混入による汚染の疑いを示す。 嘔吐、腹痛下痢、皮膚紅疹。 逆浸透
四塩化炭素 0.002㎎/l以下 エアゾル用噴射剤、金属洗浄用溶剤に使用。 頭痛、めまい、肝臓・腎臓・肺の障害等。 煮沸、曝気、水源の転換、活性炭処理
1,4-ジオキサン 0.05㎎/l以下 樹脂やワックス等の溶剤に使用。 中枢神経、肝臓、腎臓の障害。
シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン 0.04㎎/l以下 貯蔵タンクからの漏出、工場排水の混入等による汚染の疑いを示す。 麻酔作用等。
ジクロロメタン 0.02㎎/l以下   麻酔作用、中枢神経の抑制等。
テトラクロロエチレン 0.01㎎/l以下   嘔吐、腹痛、めまい、肝機能障害等。
トリクロロエチレン 0.01㎎/l以下   麻酔作用、嘔吐、腹痛等。
ベンゼン 0.01㎎/l以下 石油製品の製造過程や石油の精製過程の漏出、工場排水の混入等による汚染の疑いを示す。 めまい、嘔吐、頭痛、中枢神経の抑制等。
塩素酸 0.6㎎/l以下 消毒の塩素処理過程で生成される。 メトヘモグロビン血症、無尿、腹痛、腎臓衰弱等。
クロロ酢酸 0.02㎎/l以下 消毒の塩素処理過程で生成される。   煮沸、曝気、水源の転換、活性炭処理
クロロホルム 0.06㎎/l以下 麻酔作用、中枢神経の抑制等。人に対する発ガン性の恐れがある。
ジクロロ酢酸 0.03㎎/l以下  
ジブロモクロロメタン 0.1㎎/l以下 皮下投与により中程度の毒性がある。
臭素酸 0.01㎎/l以下  
総トリハロメタン 0.1㎎/l以下   
トリクロロ酢酸 0.03㎎/l以下   
ブロモジクロロメタン 0.03㎎/l以下 中枢神経の抑制、頭痛、吐き気等。
ブロモホルム 0.09㎎/l以下 催涙作用、肝機能障害等。
ホルムアルデヒド 0.08㎎/l以下  呼吸困難、めまい、嘔吐、胃けいれん
亜鉛 及びその化合物 1.0㎎/l以下 鉱山、工場排水の混入による汚染の疑い。亜鉛メッキ鋼管からの溶出による汚染の疑いを示す。 毒性は弱く健康上への支障は少ないが、白濁(白水障害)や不快な収れん味を与える。多量摂取の場合腹痛、下痢、嘔吐をおこす。 配管の交換及びライニング工事
アルミニウム及びその化合物 0.2㎎/l以下 浄水用薬品として、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムが凝集剤として使用。 アルツハイマー病など神経性疾患との関連について研究中。 急速ろ過法、膜ろ過、イオン交換、逆浸透
鉄 及びその化合物 0.3㎎/l以下 地質による影響と配管等の腐蝕、工場排水の混入による汚染の疑いを示す。 衛生上の有毒性よりも洗濯のとき衣類を赤くする、お茶の味を悪くする、という観点から基準値を定めている。(赤水障害) 除鉄装置取付、浄水器取付
銅 及びその化合物 1.0㎎/l以下 鉱山、工場排水、農薬の混入、殺藻剤として使用した硫酸銅の影響、給水装置の銅管、真ちゅう器具からの溶出による汚染の疑いを示す。 人に対する毒性は低く、急性中毒は銅塩を内服した時に起こる。多く含むと金属味を帯び(5㎎/l以上)、洗濯物を青く染める。  
ナトリウム 及びその化合物 200㎎/l以下 自然水中に広く存在する。又、海水、工場排水などによる混入や水酸化ナトリウムによるpH調整、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒処理、軟化処理等に由来するものもある。 多量に摂取した事故例による急性中毒として、痙攣、筋硬直、脳浮腫、肺浮腫などがある。  
マンガン 及びその化合物 0.05㎎/l以下  主として地質の影響による。その他鉱山、工場排水の混入による汚染の疑いを示す。 神経症状(言語障害)を主とする中毒症状。水を着色し食器を汚染する。(黒水障害) 除マンガン装置の取付、水源の転換
塩化物イオン 200㎎/l以下 海水の浸入、し尿、下水、排水等の混入を疑わせる。自然水にもいくらかふくまれ地域差がある。特に多量にふくまれる場合あるいは急激に増加する場合は汚染の指標となる。 塩味を感じる値から、基準値が設定されているが、水中の濃度より食生活を含めた、全摂取量が問題となる。  
カルシウム、マグネシウム等(硬度) 300㎎/l以下 地質による影響と海水、工場排水、下水等の混入の疑いを示す。水道ではモルタルライニング管やコンクリート構造物、あるいは水の石灰処理によって増加することもある。 高濃度で胃腸障害をおこす場合もある。硬度の高い水は石鹸の泡立ちが悪く、日常生活に影響が大きい。ボイラー水に不適。適量の硬度(10~100㎎/l以下)の水は飲料水として美味である。  
蒸発残留物 500㎎/l以下 水中へのいろいろな不純物の溶解の疑いを示す。 溶解性物質の量を示し、清澄な水はその量が少ない。  
陰イオン界面活性剤 0.2㎎/l以下 家庭下水、工場排水の混入による汚染の疑いを示す。 洗剤であり0.5㎎/l以上で泡立ちがはじまることを考慮して泡立ちの抑制を確実にする観点から基準が定められている。  
ジェオスミン 0.00001㎎/l以下 湖沼、貯水池及び汚濁の進行した流れの緩やかな河川で繁殖する藍藻類、放線菌等から分離したかび臭物質。   活性炭、オゾン+生物活性炭、生物処理
2-メチルイソボルネオール 0.00001㎎/l以下  
非イオン界面活性剤 0.02㎎/l以下 家庭下水、工場排水の混入による汚染の疑いを示す。 洗剤であり泡立ちの抑制を確実にする観点から基準が定められている。  
フェノール類 0.005㎎/l以下 工場排水の混入や防錆、防腐剤の混入による汚染の疑いを示す。 塩素消毒の際、特有の臭いを与える観点から基準を定めている。中枢神経系に刺激を生じるとともに麻痺症を起こす。高濃度である場合には嘔吐、チアノーゼ血圧降下などの急性中毒症状が現れる。  
有機物等(全有機炭素(TOC)の量) 3㎎/l以下 下水、し尿、工場排水、汚水等有機物質を多量に含む水の混入、もしくは汚染プランクトン類の繁殖の疑いを示す。 水中の有機物質を炭素の量で表す。有機汚濁物質の直接的な指標である。 浄水器によるろ過
pH値(水素イオン濃度) 5.8~8.6 下水、し尿、工場排水等の混入の疑いを示す。地下水(深井戸)は低いこと(酸性)が多い。 水の中性、アルカリ性、酸性を示す。飲料水としては中性(pH値7)付近にあることが望ましい。酸性の水は水道施設を腐食する。  
異常でないこと 下水、し尿、工場排水、薬品混入、地質の影響を示す。 異常な臭気、味は飲料水として適さない。また汚染の指標となり得る。 原因の追及、除去、浄水器の取付、ろ過器の取付
臭気 異常でないこと 下水、し尿、工場排水、微生物の繁殖、薬品混入、地質の影響を示す。
色度 5度以下 下水、汚水の混入や鉄、マンガン、微生物の繁殖影響を示す。 清澄な水は無色透明である。 浄水器によるろ過
濁度 2度以下 下水、汚水、土砂、薬品等の混入や管内塗装亜鉛メッキの溶出、浄水給配水施設の欠陥の疑いを示す。
残留塩素   飲料水の消毒効果。0.4㎎/l以上で塩素臭がある。 煮沸、くみ置きで除去可能
アンモニア性窒素 検出の場合はし尿、汚水、下水等の汚染の疑いを示す。 し尿等による汚染の指標となり得る。  

5.水質検査の項目 | 7.水質検査後の対策

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